私には手が届かないユニークなクロージングには、急を要する際、インナーや靴下に限り、お世話になっている。先日も最低限のものを買いに銀座の旗艦店を訪れた。そう、1~4階までの4フロアがユニークなクロージングで埋め尽くされた、あの店だ。 ものすごい品数で、定番から有名デザイナーとのコラボ商品まで価...
愛する人が編んだ紐祖母が死んだ。 突然の転倒のちょうど1ヶ月後のことだった。転倒した時には頭部を数針縫ったもののお医者様も驚くほどの回復を見せていて家族もほっと安心していた頃だった。 祖母とわたしは何となくお互いがほっとできる存在だった。何もかもを話すわけではなかったが、気のおけない親友のよ...
自由と権利と責任いま、じわじわ広がりつつある空気感の中で、わたしがものすごく嫌なのは、#COVID19 に関わる自粛があくまで「要請」でありながら、一部で「見せしめ」行為が行われ、個人の自由と権利が奪われていることだ。
スーパーセンチナリアン2020年を迎える年始、93歳になる祖母が「お泊まり」にやってきた。祖母は大正15年、農家の生まれで、14人きょうだいの次女。長女を含む数人が若年で亡くなっているため、実質の長女(時には親代わり)として、長い間、幼いきょうだいの面倒を見てきた。今は、ケアセンターで悠々自適な...
過剰なもの久しぶりにJRに乗ると辟易することがある。必要以上に長く丁寧すぎる車内アナウンスだ。 現在地がどこで、次の駅がどこなのか。おおよその到着時刻。そのくらいのアナウンスで充分なのに、やれ「携帯電話をマナーモードに」だの「通話はデッキで」だの。極めつきは「貴重品の管理はお客様ご自...
真夜中の贅沢夕方いただいた珈琲だったり、偏頭痛だったりで、眠れない夜。なかなか寝つけない時は、寝ないことに決めている。人間、限界が来れば、肉体が勝手に眠るものだ。 バルコニーに出て、夜風に当たり、空を見上げて、耳を澄ます。昼間には気づかない夏の虫の音や、樹々の葉の音。しんとした静寂、風...
筆跡新しい住居は分譲マンションで、新築時にはSさんという女性が住まれていた。その方が亡くなり、ポッと売りに出たのだ。 きれいに住まれていたけれど、数年後にはリフォームの必要性がありそうだったので入居前に床や壁紙を一新し、家具も落ち着き、暮らし始めた。...
最後の夜いよいよ引っ越しを明日に控え、最低限、サカ◯さんに怒られないだろう程度の荷造りを終えた。長かった… ここで過ごした時間は、どの瞬間も心地よく、楽しく、ちょっと大げさに言えば自分の人生にとってかけがえのない貴重な時間の連続だった。...
向こう見ずの代償住み慣れた家からの引っ越しが決まって、真っ先に脳裏に浮かんだのは壁のクロスのことだった。4年と少し住んだ事務所兼自宅は1LDK。南向きのリビングは日当たりがよく、キッチンはタイル張りで寝室には朝陽が入る。こじんまりして使い勝手のいい家だった。...
夢占い「トイレ」2日連続でトイレの夢を見た。1日目の夢は、知らない場所(のトイレ)で、限界まで我慢していた水分をやっとの思いで放出している夢。あまりきれいなトイレではなく便器にウンが付いていた。体内容量はすでにMAX。わがままは言えない。...その放出時間の長さと解放感たるや、驚くほど。...
かっこいいと思える基準平成から令和へと時代が移り変わる最中、久しぶりに、すてきな大人の姿を見ていた。DJ/プロデューサー/電気グルーヴの石野卓球さんである。 相方・ピエール瀧さん逮捕の報道後、連日のバッシングを受けた卓球さんの言動は「迎合せずに生きてきたプロ」の姿そのものだった。本当に好きなこと...
恋という名の病iPS細胞の研究がいかに進化しようとも、治せない病。それが恋である。 恋愛を「患者を結婚させるか、あるいはこの病気を招いた環境から引き移すことによって治すことができる一時的精神異常」と語ったのは、毒舌家で知られたアメリカの作家、アンブローズ・ビアス。言い得て妙だ。...
大腸検査数年ぶりに、健康診断を受けた。 飲まず食わずで会場に行き、4本もの血液を採った。肺の撮影の後、バリウムを飲み干し、体を右に左にと傾けて胃のレントゲンも。どうでもいいけれど、検査技師さんの発する声がとても聞き取りづらく、体の向きは、ほぼ勘だった。...