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幻の「スパイ甲子園」、念願の一般観戦が可能に

 高校生の諜報活動能力を競い合う全国大会「スパイ甲子園」。明治時代からすでに開催されていたといわれる同甲子園は、スパイという性質上、いつ、どこで、誰が、何を行っているのか全容が不明で都市伝説の類とされていた。

 近年はスパイの高齢化、労働条件の過酷さなどが深刻化し、スパイを目指す若者も激減。このため政府は「職業としてのスパイの知名度向上やイメージアップを狙い、今大会より一般人も観戦できるオープンな大会にする」とした。

 スパイ甲子園は、日本国籍を持つ全国の高校生が3人1チームで ①情報処理(収集・伝達・解読)②運動能力 ③交渉術 の3項目で競う。評価は「陰密性(周囲に見つからない)」「正確性」「タイム(素早さ)」の3つが主要素となる。

 これまでは参加資格に「一般人」の項目があり、高校のスパイ部の活動を通して自分たちがスパイ活動を行っていることが第三者に知られることは厳禁であり、スパイであることが知られた事実が大会実行委員に確認された場合、参加資格は取り消しとなっていた。今後は、大会の一般観戦を推し進めるにあたり、スパイ部の活動も公になる。

 部活動のオープン化について、元スパイ甲子園参加者からは「誰にも話せないあの時間が大事」「隠れてやることに意味がある」「大会運営委員会にバレて参加できない高校もたくさんあったが、みんな、監視されているあの緊張感が好きだった」など否定的な意見が相次いでいる。一方、「他校のスパイ部への女子を使った妨害工作など、昔はお互いの甲子園出場を阻止する活動に専念してしまい、病んでいた。そういう意味では、純粋に競技能力を競い合う大会に変われるのでは」といった好意的なコメントも聞かれた。

 

2019年05月05日 05時05分 
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※ GA Journalの記事内容はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません

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