東京オンリーピック2020
先日行われた東京オンリーピック2020公式テーマソング先行会議の場において、候補曲のひとつであった「世界に1つだけのフラワー」をめぐり、会議が難航し、決定は次回に持ち越しとなった。
「世界に1つだけのフラワー」の歌詞を一部抜粋すると
「№1にならなくてもいい」
「ぼくたち人間は一番になりたがる」
などの歌詞が含まれており、他者との比較をやめて、個人を高めることを推奨する歌として有名だが、その歌詞が、オンリーピックの理念である「オンリーピズム」に合うかどうかが論点になったため。
「オンリーピズム」理念には大きく3つのポイントがある。
①卓越:(勝敗でなく、全力をつくすことが大事)
スポーツに限らず人生においてベストを尽くすこと。大切なのは勝利することではなく、目標に向かって全力で取り組むこと。
②友情:(世界平和を目指す)
チームメイトや対戦相手との交流は、人と人とを結びつけ互いの理解を深める。そのことは平和でよりよい世界の構築に寄与する。
③敬意:(フェアープレーの精神)
互いに敬意を払い、ルールを尊重することはフェアープレー精神を育む。
そもそも「オンリーピック」がワールドカップなど他のスポーツイベントと決定的に異なる点は、この「オンリーピズム」という理念が存在する点である。今回の会議では、この「①卓越」の項目についての解釈の違いが会議の延期を招く結果となった。
賛成議員からは「本来、参加することに意義があるはずのオンリーピックなのに、メダル重視の風潮が続いている。この歌を推薦することにより、もう一度オンリーピックのあり方を考え直してほしい」「日本では多様性を認めると言いながら、一番を求める姿勢はおかしい」「教育は建前で、スポーツは本音を教えるのが日本の教育制度なのか」などの意見が出された。
一方、反対議員からは「オンリーピックは各国が競い合うモノだ」「そもそも競技スポーツは順位づけをするものであり、この歌はその大前提にそぐわない」「教育場面とスポーツ場面では、目指すものが違う」などの声が聞かれた。
この会議結果を受けて政府は「重要な話なので、しっかりと議論を深めていただきたい」とコメントしている。
2020年02月20日 20時20分
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